冬物衣類の洗い方~ボトムス編~

厚手の素材が多くなる冬物衣類は、どれくらいの頻度で洗ったらいいのか迷っている人も多いのではないでしょうか。冬は生地に使われる素材の種類も多くなるため、洗い方や乾燥の仕方について注意が必要です。ここでは、冬物衣類のボトムス編として素材別に分けてそれぞれの洗い方について解説します。 

冬物のボトムスに使われる素材

冬用のボトムスに使われる代表的な素材は以下の6つです。それぞれの素材の特徴に合わせて洗濯方法が異なってくるので、まずは素材の特徴について確認していきましょう。

  1. ウール
  2. コーデュロイ
  3.  フリース
  4. メルトン
  5.  ツィード
  6.  ニット 

ウール

ウールとは、主に羊の毛を使って作られるもので、羊以外にもカシミヤやアルパカを使用したものもあります。動物由来の繊維を使っているので、保温性に優れしわになりにくいという特徴から、パンツやスカートそして、マフラーやストールなどの素材として使用されます。

ウールは、洗濯ができるものとドライクリーニングが適しているものに分けられるので、洋服のタグに記載されている洗濯表示を確認し、自宅で洗濯が可能かどうか確認する必要があります。

コーデュロイ

コーデュロイは、パイル糸を織って作られたもので表面の凹凸が畝(うね)になっているのが特徴です。別名コールテンとも呼ばれ、畝(うね)に空気が入ることにより、保温性に優れ、立体的なデザインが季節感を感じさせてくれます。

ジャケットやパンツにスカートなど、秋から冬にかけて着用できますが、畝にほこりがたまりやすいため、こまめなお手入れが必要です。

コーデュロイは洗濯機で洗濯が可能ですが、手洗いを推奨するものもあるため、タグについている洗濯表示を確認して、アイテムに合わせたお手入れが必要です。

フリース

フリースとは、石油を原料として作られた起毛素材です。軽くて肌触りが柔らか。保温性に優れ自宅で洗濯できるという手軽さから、フリース素材のパンツやスカートなどさまざまなアイテムが商品化されています。

フリースは洗濯機での洗濯が可能です。実用的でリーズナブルな値段から幅広い世代から親しまれているフリースですが、火に近づけると穴が開いてしまう他、摩擦による毛玉ができてしまうというデメリットがあります。

メルトン

メルトンとは、短い羊毛を使って織った紡毛織物のひとつで、フェルトのような質感が特徴です。ダッフルコートに用いられる素材ですが、耐久性と保温性が高いことから、スカートやパンツなどのボトムスとしても使用されています。

洗濯機で洗えるものもありますが、水に弱い性質を持っているため、手洗いがおすすめです。念のため洗濯表示を見て確認するようにしましょう。

ツィード

ツィードは、羊毛を使用した紡毛織物で耐久性が高く使えば使うほど体に馴染んで柔らかくなるという特徴があります。

防寒性に優れ重厚な風合いが表現できることから、スカートやパンツの素材としても活用されています。

ツィードは一部手洗いが可能なものもありますが、基本的に手洗いはできません。洗濯表示で手洗いが可能な場合でも、縮んでしまう心配があるので、長持ちさせたいならクリーニングを利用するようにしましょう。

 ニット

ニットは冬の定番アイテムの一つで、保温性に優れ、断熱性も高いという特徴があります。ニットは織物の総称であり、ウールやコットン、ポリエステルなどいろいろな素材を用いて、スカートやパンツ、ワンピースに帽子など、商品化されています。

その温かさからニットパンツも流行しており、素材によって風合いが異なるため、ファッションアイテムのひとつとして注目を集めています。

ニットのほとんどが自宅で洗濯可能ですが、まれにクリーニングを推奨するものもあるため、洗濯をする場合には、タグについている洗濯表示を確認するようにしましょう。

素材別冬物衣類の洗い方

冬物のボトムスはさまざまな素材が使用されています。しかし、それぞれの素材に合わせた洗い方をしないと生地を痛めてしまう原因になるので、素材別の洗い方について細かく見ていきましょう。

ウールのスカート・パンツの洗い方

ウールはデリケートな素材であること。そして水を吸うと縮みや型崩れの原因になってしまうため手洗いがおすすめです。また、カラフルな素材も多いため、水に濡れて色落ちがしないよう、効率よく洗濯とすすぎを行うことも重要です。

洗い方は、桶に水またはお湯を入れ、おしゃれ着用の洗剤を入れて洗濯液を作ります。その中に洗濯ネットに入れたニットを入れて押し洗いをしてすすぎます。

最後は軽めの脱水をして、ハンガーは使わず平干しで乾かしましょう。

コーデュロイのスカート・パンツの洗い方

コーデュロイは、洗濯機と手洗いのどちらも可能です。ただし、素材の特性上、色落ちの可能性があるため、事前に目立たない場所で洗剤をつけて、5分ほど置いた後、白いタオルで拭き取ります。

白いタオルに色が移っていなければ洗濯機でも可能です。もし、タオルに色が移ってしまったら、手洗いで丁寧に洗うようにしましょう。

洗濯機と手洗いのどちらの場合でも、中性洗剤を使用します。

コーデュロイは水分を含むと重みが増すので、干す時には厚めのハンガーを使うか、ピンチハンガーに筒状にして干して形を整えます。

フリースのスカート・パンツの洗い方

フリースは洗濯機での洗濯が可能です。洗う時にはおしゃれ着用の洗剤を使用し、繊維が絡まないよう洗濯ネットに入れます。 

洗濯コースは、水流が弱いドライコース又は手洗いコースを選び、柔軟剤を入れるとふわふわに仕上がります。脱水時間は短めに設定し、終わったらすぐに干すようにしましょう。

メルトンのスカート・パンツの洗い方

メルトンはコートにも用いられる素材で、洗濯機での洗濯はできません。お手入れはドライクリーニングをかけるか、衣類用のブラシを使って汚れを取り除きます。

メルトンはフェルトのような生地で、ほこりがたまりやすく毛玉がつきやすいという特徴があります。メルトンの衣類を着用したら、衣類用のブラシをかけて汚れを取り除くお手入れが必要となります。

ツィードのスカート・パンツの洗い方

ツィードは、基本的に手洗いができませんが、一部洗濯が可能なものもあるため、必ず洗濯表示を確認します。

洗濯表示にたらいと手のマークが記載されている場合、手洗いが可能です。特殊な素材なので手洗いする場合は、おしゃれ着用の洗剤を使用します。

洗い方はというと、水またはぬるま湯を洗面器の中に入れ、ツィードを入れて沈ませます。優しく押し洗いをしたら、次は新しいお水またはお湯を入れてすすぎ洗いをします。

最後に短めの脱水をかけて、しわを伸ばし、形を整えて陰干しをして乾かします。

 ニットのスカート・パンツの洗い方

ニットを使ったボトムスの中で、特に注目を集めているのが、シルエットがきれいに見えるニットパンツです。色違いで何本も持っているという人も多いのではないでしょうか。

ニットは自宅で洗濯が可能ですが、必ず洗濯表示を確認し、素材に合ったお手入れをします。

洗濯表示にたらいのマークが記載されている場合は、洗濯機が使えますが、手のマークが書いてあるものは、手洗いが基本となります。

持っているアイテムごとに使い分けなければいけないので、今までなんとなく洗濯機を使っていた人は、次回から洗濯表示を確認して、アイテムごとに洗う手段を変えるようにしましょう。

冬物衣類を洗う頻度

冬物衣類を洗う頻度ですが、デリケートな素材であることから、2~3回に1度程度が良いでしょう。

これは、冬でも肌に直接触れる部分は汗をかきますが、保温性があり吸湿性が高いインナーを使用しているためです。

もちろん、個人差があるため、活動の状況によって判断が必要となります

冬物衣類を洗う時の注意点

冬物衣類を洗う時には以下の3つに注意して洗濯をします。

洗濯表示を確認

素材によって洗濯方法が異なるため、必ず洗濯表示を確認し、アイテムに合った方法を実践します。

事前準備

洗濯する前に襟や袖口などをチェックし汚れがあったら、スポンジに中性洗剤をひたし直接あてて汚れを吸着させます。

このひと手間で、効率的に汚れを取り除き、お手入れをすることができるので、事前準備をするようにしましょう。

干す時の注意点

冬物衣類は厚手で、特殊な素材を用いています。ふわふわ感やシルエットが崩れないよう、干す時には厚手のハンガーを使うか、平干しで折りしわをつけないよう干すのがポイントです。

冬場は太陽が沈むのも早くなるので、午前中に洗濯をして午後は早めに取り込み室内で乾燥させましょう。

まとめ

冬物衣類は、保温性や保湿性を高める素材が用いられているので、素材に合わせたお手入れが必要です。洗濯機を使うか、それとも手洗いかでは大きく異なります。洗濯表示を確認し、事前準備をした上で形を整えて干すことを意識してみてください。

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